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材大なれば用を為し難し

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スレッド名コメント作成者最終投稿
問題のある被リンクとは?1 Ryou 2014-05-06 18:51:48 Ryou
さきほどから1 Ryou 2014-04-10 20:40:45 Ryou
そんなに改まらなくつてもいゝ1 Ryou 2014-04-10 20:40:09 Ryou
なんですか、ちつとかう1 Ryou 2014-04-10 20:39:24 Ryou
それと申しますのが1 Ryou 2014-04-10 20:38:09 Ryou
無理に引張つて行くわけにも1 Ryou 2014-04-10 20:37:08 Ryou
それとも、戦争に行くのがこはいか1 Ryou 2014-04-10 20:36:08 Ryou
号外屋さんはもうをりませんです1 Ryou 2014-04-10 20:35:47 Ryou
何を考へていらつしやるんですの1 Ryou 2014-04-10 20:35:11 Ryou
此の時、宇治少佐、浴衣姿にて現る1 Ryou 2014-04-10 20:34:44 Ryou
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1 Ryou 2014-05-06 18:51:48 [URL]

自分のサイトが急に順位を下落させると、何が起きたのか?と驚いてしまいます。この一月以内に自分でサイトを触った内容に間違いがあるのでは?と思うのです。

しかし、グーグルの基準に沿ったホワイトと言われるサイトを運営していれば、順位が下落するはずはないのです。それでも順位が落とされるとなれば、グーグルの考える何かの問題に触れペナルティーが科されたと考えるのが自然です。

サイト内の文字を見えにくくしたりするような幼稚な古い手法は身に覚えがないので、考えられるのは被リンクの集まり方だと思うのです。

グーグルが良くないと判断するサイトから被リンクが集まってくれば、自然に自分のサイトは圏外に飛んでしまいます。これは、リンクの否認ツールで回避できるとしているものの、元の順位に帰ってくるのはいつになるのか分かりません。

そして、否認ツールで否認した被リンクだけの問題でない可能性があるので、サイト内の(削除しないで良い部分も)書き換えたり削除したりと大幅に時間を取られてしまいます。

なのでサイト運営に被リンクのチェックはかなり重要なポイントだと考えます。
 
1 Ryou 2014-04-10 20:40:45 [URL]

数代  さきほどから、よく考へてみました、実は陸軍の馬丁が戦争に行かなければならないものか、どうか、わたくしどもにはよくわからなかつたので御座います。行かなければならないのなら、またそれだけの覚悟も御座います。ですけれど、只今のお話では、行かなくてもすむといふことで御座いますから、わたくしは行つて貰ひたくは御座いません。
少佐  お前が行つて貰ひたくないと思つても、亭主が行くと云へば仕方があるまい。
数代  そんな筈は御座いません。行くと申す筈が御座いません。二人の間に、話はもうちやんとついてゐるので御座います。
友吉  しかし、なあ、数代、旦那もあゝおつしやるんだしさ……。いろいろ御世話になつた義理から云つても、お伴をしないわけにや行くまいと思ふんだ。
数代  いまさら、あなた、なんですか。お世話になつたことは、またほかの方法で御恩がへしができるぢやありませんか。――あんたが戦争になんか行けるもんですか、人一倍臆病なくせに……。鉄砲の音を聞いただけで腰をぬかすでせう。
友吉  冗談云ふない。そんなこたないさ。それに、馬丁は、危いところへは行かないんだとさ。
数代  あたしがいやだつたら、仕方がないぢやないの。
 
1 Ryou 2014-04-10 20:40:09 [URL]

少佐  そんなに改まらなくつてもいゝ。そこで、あらまし話は聞いてゐるだらうが、今度、戦争がはじまつて、師団にも動員が下つたわけなんだが、知つての通り、将校はみんな馬丁を一人連れて行くことになつてゐる。おれは、友吉を連れて行かうと思ふが、お前に異存はないか。
数代  (黙つて友吉の顔を見る)
友吉  (その視線を避けて、顔を伏せる)
少佐  今、友吉に話したところだが、友吉は、お前さへ承知すれば、行つてもいゝと云ふのだ。これが、われわれ兵隊なら、家内に相談も糞もない。それだけまあ、馬丁などは自由なわけだが、日本の男と生れて、この千載一遇の好機会に少しでも国家の為に働きたいと云ふ望みは、これは、誰しも一様なわけだ。
数代  さう致しますと、行つても行かなくても、それは本人の勝手なんで御座いますか。
少佐  まあ、さうだ。
数代  それなら、宿は、お伴を致し兼ねます。
少佐  そりや、どうして……。
数代  別れるのがいやで御座います。
少佐  たゞ、それだけか。
数代  たゞそれだけで御座います。
少佐  もう考へ直してみる余地はないか。
 
1 Ryou 2014-04-10 20:39:24 [URL]

友吉  なんですか、ちつとかう、息が詰りさうなんで……。
夫人  (笑ひながら)おやおや、随分ね、この人は……。
少佐  数を呼んで御覧。
夫人  (去る)
少佐  おれを見ろ、おれを……。おれは誰にも相談なんかしはせんぞ。
友吉  へ……。
少佐  お前は、少し、女房の云ふことを聞き過ぎやせんか。
友吉  それが、さうしませんと、あとが五月蠅いもんですから……。
少佐  どう五月蠅いんだ。
友吉  嬶は何時も、あたしのからだはあんたのもの、そのかはりあんたのからだはあたしのものつて、かう申しますんです。
少佐  さうすると、主人はどうなる?
友吉  へえ、そりや、もう、わたくしは、なんですが、まあ、二人つきりの時だと、さういふわけなんで……。夜、こちらからお暇が出ますと、それきり、煙草を買ひに行くことも出来ません。
少佐  果報者だよ、お前は……。(間)しつかりしろ、しつかり……。なんだ、その面は……。


(此の時、夫人が、友吉の妻、数代をともなつてはひつて来る)
(数代、丁寧に会釈をする)
 
1 Ryou 2014-04-10 20:38:09 [URL]

友吉  それと申しますのが、かう申しちやなんですが、ああいふいきさつも御座いましたくらゐで、わたくしと致しましてもあとで、どんな短気な真似をされるかもわからないつていふ心配もあるんで……。
少佐  そんなこともあるまい。今日、男といふ男は、みんな、妻子なり、親姉妹なりを残して、敵地に向はうとしてゐるのだ。お前の女房一人が、あとへ残るんぢやあるまい。さう訳がわからんでも困るな。それぢや、おれからよく訊いて見てやらう。
夫人  それや、あん時はね、二人が一緒になれるかなれないかつていふ場合だつたから、死ぬの生きるのつていふ騒ぎをしたのだけれど、今度のことは、また別だわね。あたしが、大事にあづかつて、あげるわ、そんなことがないやうに……。
友吉  へえ、恐れ入ります。何しろ、どうもあの気性で……全く、わたくしの手には……。(頭をかく)
少佐  (笑ひながら)弱音を吐くな。自業自得だ。しかし、なかなか、睦じさうで結構は結構だが……。
 
1 Ryou 2014-04-10 20:37:08 [URL]

少佐  無理に引張つて行くわけにも行かんから、お前のいゝやうにしろ。
友吉  ぢや、一つ、嬶に相談して見ます。
少佐  それがよからう。だが、お神さんは、お前、女だぜ。
友吉  へえ。
少佐  行く方がいゝか、行かない方がいゝかつて云へば、行かない方がいゝつて云ふに定つてやしないか。お前がかうと決心をして、おれは行くんだと云つてしまへば、それを行くなとは云ふまい。日本の女は、そんな事は云はんよ。
友吉  へえ。でも……。
少佐  でも、なんだ。
友吉  実は、さつきも一寸話をしましたんですが、なにしろあの女も、身よりはありませず、わたくしに行かれつちまふと……。
少佐  だから、あとはこつちが引き受けると云つてるぢやないか。
友吉  どうか一つ、そこんところを旦那からよろしくおつしやつていただきたいんで……あの女は、一度云ひ出したことは後へ引かない女で……。どうも、困つてしまひます。
少佐  すると、お神さんは、お前が行く事を不承知なのか。
 
1 Ryou 2014-04-10 20:36:08 [URL]

少佐  それとも、戦争に行くのがこはいか。
友吉  いゝえ、こはくはありません。
少佐  そんなら、どうだ。行くか。
友吉  (また、顔を伏せる)
少佐  兵隊に取られたと思へばなんでもなからう。そのからだで、その若さで、意気地のないことは云ふまいな。
友吉  ……。
少佐  人間はどうせ一度は死ぬんだ。畳の上で死んでも一生は一生、汽車に轢かれて死んでも一生は一生だ。国家の為に、潔よく命を投げ出せば、それだけ死花を咲かせることになるんだぞ。男子の本懐ぢやないか。
友吉  (黙つて頭をさげる)
少佐  給料は倍にするし、お上からも、無論手当は出る。その上、無事に帰れば、従軍徽章も頂戴できるわけだ。
夫人  それに戦争と云つても、普通の兵隊さん見たいに、そんなに危いところへ出ないでも済むんでせう。
少佐  それもさうだ。なに命は大丈夫だよ。(間)こつちへ残して行くものゝ世話は勿論引き受ける。お前に万一のことがあつても、心配はいらん。
友吉  (黙つて頭をさげる)
 
1 Ryou 2014-04-10 20:35:47 [URL]

よし  号外屋さんはもうをりませんです。
夫人  お前の呼び方が遅いからだらう。
よし  いゝえ、わたくしが御門の外へ出ました時は、もうどこかへ行つてしまつとりました。
夫人  鈴は聞えなかつたの。
よし  鈴で御座いますか。さあ、鈴は方々で聞えましたけれど――。
少佐  もういゝ。友吉を呼べ。
夫人  今のことをおつしやるんですの。
少佐  いゝや。


(長い沈黙)
(馬丁友吉、恐る恐る現る)


友吉  何か御用で……。
少佐  もつとこつちへはひれ……。寝藁は新しいのと取り更へたね。
友吉  はあ。
少佐  それではと、早速だが、お前の決心を聞きたいんだ。
友吉  ……。
少佐  どうだ、おれと一緒に戦地へ行くか。
友吉  (黙つてうつむく)
少佐  副馬の方はまあいゝとして、正馬の方は、あの通り手のかゝる馬で、お前にはやつと馴れたところでもあるし、お前がついて行つてくれゝば、おれは大変助かる。将校の馬を預つてゐれば、日頃こんな時の覚悟も、まあしてゐるだらうとは思ふが、念のために聞いて見るんだ。
友吉  ……。
 
1 Ryou 2014-04-10 20:35:11 [URL]

夫人  何を考へていらつしやるんですの。
少佐  あいつ、また馬丁部屋へあそびに行つてゐるんじやないか。
夫人  猛ですか。
少佐  数つて云ふ女は、どうも子供によくない智恵をつけていかん。玩具の鉄砲を自分の喉に当てゝ、自殺をする真似なんかして見せたらしい。
夫人  まあ。何時ですか。
少佐  さつき、おれが帰つて来たら、門のところで、ほかの子供たちと一緒にそんなことをやつて遊んでるんだ。誰から習つたつて訊いたら、数からだつて、さう云つた。
夫人  ほんとに困りますわね。
少佐  馬丁の家内が、なまじつか、女学校なんか出てるからいけないんだ。言ふことは生意気だし、することが巫山戯てゐてどうも気に食はん。おれの留守中でも、あんまり子供なんか委せて置けないよ。
夫人  気を付けますわ。世間を知りすぎてるんですわね。
少佐  すれてるのさ、つまり……。
夫人  そこへ行くと、よしつて云ふ女は……。


(よしが襖を開ける。夫人、口を噤む)
 
1 Ryou 2014-04-10 20:34:44 [URL]

(此の時、宇治少佐、浴衣姿にて現る)


少佐  もう片づいたか。
従卒  はあ、片づきました。
夫人  ウイスキイばかりこんなにお持ちになつて、どうなさるんですの。
少佐  お前の知つたことぢやない。(太田に)そいぢや、今日は帰つていゝ。家のものには、もう会つたのか。
従卒  いゝえ、まだ会ひません。別に用もありません。
夫人  でもねえ……。
少佐  明日は来んでもいゝ。それから、副官に、今晩はもう用はないからつて、さう云へ。
従卒  は。副官殿に、今晩はもう用はないつて、さう申します。(証明書を取り出し)御判をどうぞ……。
少佐  出発前に、からだをこはさんやうにせい。
従卒  はあ。(軍用鞄を担ぎ、出で去る)
夫人  御苦労さま。


(少佐と夫人とは、対座したまゝ、暫く無言。――おもてを号外売りが通る)


夫人  号外、買はせませうか。
少佐  うむ。
夫人  (奥に向ひ)よしや、号外を買つて来て御覧。
よしの声  はい。
 
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