蘇える金狼(1979年)
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1 @kira 2013-02-08 22:00:00 [携帯]
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142 @kira 2013-02-26 14:03:42 [画像] [携帯]
『蘇える金狼』の男優たちD
久米明
本名 同じ
1924年2月8日
日本の男性俳優、声優、ナレーター。
東京都出身。
元日本大学芸術学部教授。
1992年紫綬褒章。
長男は帝京平成大学准教授スポーツ科学者・久米秀作、次男はミュージシャン・久米大作。※アナウンサーの久米宏とは無関係。
旧制麻布中学校、東京商科大学(現・一橋大学)卒業。
永井正(元三井ホーム社長)は中学の同級生学徒兵として敗戦を迎え、大学に復学後、俳優座によるゴーゴリ『検察官』に感銘を受け演劇研究会を立ち上げる。
1947年、木下順二、山本安英らと劇団『ぶどうの会』を結成。
以降も中心俳優として活躍するが、17年での同劇団の分裂・解散により、1964年に福田恆存主宰の現代演劇協会・劇団雲に入団。
その後、同協会内の劇団欅に移り、1976年からは劇団昴に所属する。知的な風貌で、弁護士や医師といった役柄も多い。
顔立ちが池田勇人元総理によく似ていたことから、映画『金環蝕』『不毛地帯』(共に山本薩夫監督)では、池田がモデルとなっている政府高官を演じ、更にNHK特集『日本の戦後』シリーズでは池田本人の役も演じている。
独特の語り口で声優としても活躍、ハンフリー・ボガートの吹き替えや、『日立ドキュメンタリー すばらしい世界旅行』などドキュメンタリー番組のナレーターとしても知られる。
1972年から日本大学藝術学部講師、1975年から同教授に就任。
1992年に紫綬褒章、1997年に勲四等旭日章を受章。
143 @kira 2013-02-26 14:06:02 [画像] [携帯]
『蘇える金狼』のゲスト@
角川春樹
1942年1月8日生まれ。
日本の実業家、映画監督、映画プロデューサー、俳人、冒険家。
角川春樹事務所会長兼社長、幻戯書房会長。
富山県中新川郡水橋町(現富山市)に生まれ、東京都杉並区に育つ。
父は角川書店の創業者の角川源義、母は富美子(旧姓鈴木)。
杉並第五小学校・天沼中学校から國學院久我山高等学校に進む。
高校在学中は剣道部に所属。早稲田大学史学科に受験し合格したが、國學院大學理事の地位にある父の懇願で國學院大學文学部に進学。
角川書店時代
1965年、角川書店入社。
1970年から映画『ある愛の詩』『いちご白書』の原作本を始めとして、洋画の原作やノベライゼーションを次々と刊行。
社長である父・源義の存命中は、信賞必罰を貫く父の方針のもと、社内での立場もかなり浮き沈みがあったというが、父の反対を押し切って出版に踏み切った『ある愛の詩』の成功が後継者の地位の確立に繋がっていく。
さらに当時は既に過去の作家となっていた横溝正史のブームを仕掛け、映画製作に乗り出すと、1970年代後半から1980年代にかけて、いわゆる角川映画で一世を風靡し、日本映画界の風雲児としてもてはやされた。
1983年頃までの角川映画全作品出演という快挙を成し遂げた唯一の人物。
当然である。彼が製作して、自分で出るというのだから。誰が拒否出来よう。
その演技力の低さには定評があり、出演シーンにおいて観客を興醒めさせる魔力を秘めている。
しかも通行人Aなどではなく役名もついたセリフのある出演が多い。
ヒッチコックはエキストラを使う余裕がなくて自身が出演しており、決してセリフなど喋る事はなかった。
本人は自身の演技をどう思っていたのか。また、共演した俳優たちはどんな思いで相手をしたのか。心中察するばかりだ。
さすがに80年代中頃からは出演が減ったがフィルムとは残るモノ。自分が好きな作品を観る度にガッカリさせるというトラウマを観客に与え続けている。
本作でもしっかりと松田優作と共演してセリフの遣り取りまでしている。
しかも何を言っているのか聞き取れない。
角川が去った後の優作がウンザリした表情に見えたのは私だけではないだろう。
ご安心を。
『野獣死すべし』にもしっかり出ております。
144 @kira 2013-02-26 14:18:07 [画像] [携帯]
ロケ地探偵団A
中国料理店>>46
朝倉と京子が行く中国料理店は横浜市中区山下町の横浜中華街大通りにある『同發新館』である。
中華菜館 同發は焼き物・乾物の店として明治に創業。
横浜中華街を代表する大型広東料理店として地元近郊の方々、横浜を訪れる観光の方々に親しまれている。
中華菜館 同發は横浜中華街に本館、別館、新館、売店がある。
名前の由来は、『お客様と共にあり、共に発展していきたい』から。
アットホームな雰囲気で、映画のような怪しい空気は一切ない。
朝倉と京子が食べていたスペシャルメニューは、存在せず映画のオリジナルである。
145 @kira 2013-02-26 14:19:35 [画像] [携帯]
ロケ地探偵団B
朝倉と京子が泊まるホテル外観>>47
中華料理店を出た後に、朝倉と京子が激しい夜を過ごすのは
『HOTEL OZ YOKOHAMA』
である。
落ち着いた外観と照明の点いた看板が印象に残る。
このホテルは、優作の『処刑遊戯』にも鳴海の標的、殺し屋の岡島が泊まるホテルとして登場。
松田優作と青木義朗が、ロビーで遭遇するシーンもあった。
146 @kira 2013-02-26 14:21:22 [画像] [携帯]
劇場版の台詞
京子『ねえ・・・あの煙草、もう残っていないの?』
朝倉『どうして?』
京子『あの煙草には、何か仕掛けがしてあるんでしょ・・・』
朝倉『・・・・・・』
京子『どんな?!』
朝倉『欲しい?』
朝倉『これ・・・この粉をね、煙草の先に少しつけると気分が良くなるんだよ・・・煙草は?』
京子『まさか、麻薬じゃないでしょうね・・・』
朝倉『まさか・・・(笑)清涼剤。大学の友人にね、物理学教室の助手がいるんだ。そいつから貰ってるんだ』
京子『それなら安心だわ』
朝倉『これは進呈するよ。ただし!3時間は間をあけないと身体に悪いってよ』
京子『大変だわ!』
朝倉『あわてんな・・・おそらくパパさんだろ、あんたの・・・』
朝倉『グラス、なおして』
朝倉『改めて電話するよ』
京子『待って!お願い、行かないで・・・』
京子『いらっしゃい・・・』
小泉『京子!!こんなに心配してたんだよ・・・一体、どこ行ってた?!ん・・・?変な匂いがするなあ・・・分かった!男と一緒だったんだな?!言いなさい!私がこんなに心配してたのに、若い男と楽しんでたろう!ええ?!言いなさい!言わないと・・・絞め殺してやる!』
京子『あなたに私が殺せるの?ベッドでも満足に殺せないくせに・・・』
小泉『男をここに引っ張り込んだんだな?まだどっかに隠れてるんだろう。畜生・・・よくもよくも・・・探し出してやる!』
小泉『泥棒猫!!出て来なさい!!』
京子『誰とも浮気なんかしてないわ・・・私はあなただけのモノよ・・・』
京子『いいわ、信用してもらえないなら、私、出て行く!』
小泉『京子!そんなこと言わないでくれ!ね、悪かった!お前の・・・いや、僕はね、キミのためだったら、会社だって、家庭だって、みんなこう、棄てても後悔しないと思ってるんだ!ホントだ!京子!悪かった!』
147 @kira 2013-02-26 14:26:58 [携帯]
シーン32
京子のマンションに、マセラティが止まる。
朝倉と京子が、出てくる。
今度は、京子から誘ったのだろう。
シーン33
朝倉が、京子の煙草にヘロインをつけてやる。
朝倉が、京子にヘロインを常用させる事に成功する描写と朝倉と京子の関係が進展した場面が描かれる。
おそらく、この時点で朝倉に京子への愛は芽生えていないだろう。
それより重要なのは、朝倉のセリフの中に初めて『僕の友人』という言葉が出て来る事だ。
この作品を既にご覧になっているならおわかりだろうが、この言葉はしばしば象徴的に使用される。友人とは、朝倉が創り出した架空の人物である。
この時点では京子を騙す為についた嘘なのだが、その友人が朝倉の中でどんどん大きな存在となり、最終的には自分でもその存在の真偽の判断が出来なくなって行く。
ラストで友人の正体が明かされるがそれが分かった時、朝倉の人間性が垣間見えてくるのかも知れない。
そして特筆すべきはなんと言ってもベテラン俳優・成田三樹夫氏の怪演だろう。
小泉という人物を的確に捉え、かつ、成田三樹夫でなければ到底出来ないと思わせる芝居を、オーバーアクトでありながらもバランスのよい計算された演技で楽しませてくれる。
おそらく前日に、京子とケンカしたまま別れたので夜に再び訪れたら、京子がいなかったので心配したのだろう。
大企業の重役とは思えない狼狽ぶりが、ギャップも加わってなんとも言えない可笑しさを出している。
一転、怒りの矛先を京子に向けるが軽くあしらわれてしまうところに二人の関係が窺える。
いつも小悪魔な京子に振り回されているのだろう。
そして、京子に男の影を感じると嫉妬して、いるかどうかもわからない男に向かって威嚇するのだが、屁っ放り腰でなんとも頼りない。しかも何故かお姉口調である。
これが、朝倉が勝負を挑んでいる相手かと拍子抜けするほどだ。
ところが、『仁義なき戦い』では非常に怖いヤクザを演じているからこの人の演技の幅の広さに驚いてしまう。
成田氏と優作は、この後、『探偵物語』で共演する。
成田は、服部警部が好評で芸域が広がった。山西道広も同様である。
『ア・ホーマンス』のポール牧や石橋凌など、優作によって俳優として評価された人物は少なくない。
最後のマンション脱出のスタントは、優作自身がこなしている。
148 @kira 2013-02-26 14:36:14 [画像] [携帯]
清水絵理子
東和油脂社長・清水の末娘。
社長令嬢であり、朝倉の東和油脂乗っ取りという野望の象徴である。
映画では、台詞は一切なし。
終始、麗しい微笑を浮かべているのみ。
生きた人間というよりは、お嬢様という記号だけの存在だ。
原作では、単なるお嬢様ではなく、じゃじゃ馬的一面も覗かせる。
社長令嬢という、自分の境遇に窮屈さを感じていて、朝倉が自分を、外の世界へと連れ出してくれる存在だと考えている。
原作では絵理子が、朝倉の車に乗り込んで、朝倉とカーチェイスを繰り広げる場面がある。
149 @kira 2013-02-26 14:37:40 [画像] [携帯]
劇場版の台詞
朝倉『先ほどお電話しました、セントラルタイムスの仙川です』
朝倉『ああ・・・ショパンのノクターンですか・・・』
植木『よく、おわかりで・・・』
朝倉『いえいえいえ・・・』
朝倉『いやあ・・・ベンツにベンベーに、ベントレー・・・素晴らしい車のご趣味ですなあ・・・』
磯川『若造!新聞記者などと語りおって・・・ワシに何の用だ?』
朝倉『なるほど・・・さすが、磯川さん。お察しが早い・・・わかりました、じゃ、単刀直入に申し上げましょう』
朝倉『まとまった量のヤクが欲しい・・・ただし!妥当な値段でね』
磯川『ヤクとは何だ?』
朝倉『トボけて貰っちゃ困るなあ・・・ヤクとは麻薬のヤク、ヘロインのことだ』
磯川『帰れ、若造!悪いことは言わん』
朝倉『商売の話が終るまでは帰れませんな』
磯川『チンピラめ!後を振り向いてみろ、ゆっくりとだぞ・・・』
150 @kira 2013-02-26 14:47:06 [画像] [携帯]
磯川『ふっふっふっふっふっふっふ・・・・馬鹿者が・・・殺してやる!』
朝倉『そんなに簡単に俺を撃っていいのかね』
磯川『なんだとォ?』
朝倉『アンタんとこの部下は、ナリばかりはデカくても、銃に関しては全くのトウシロだねえ・・・』
朝倉『いいか、この距離からあの手の銃をブッ放せば、弾は完全に俺の身体を貫通して、アンタに当るんだよ』
朝倉『それにだ・・・俺の身体を貫通する時は、弾は炸裂しない・・・だから、まだ助かる見込みはある。ところが、アンタの身体に喰い込む時は、弾の潰れがひどいから、間違いなく即死だな』
磯川『冗談も休み休み言え!そう調子よくワシに当ってたまるか』
朝倉『無知だねェ・・・弾ってのはねぇ、一番抵抗の少ないところを抜ける性質があるんだ。俺が身体の向きをちょっと変えるだけで、アンタの心臓めがけて飛ばせることも出来るんだよ』
朝倉『試してみるかい?』
朝倉『撃ってみな!撃ってみなよ、おい!』
植木『こいつ!!』
植木『うがぁーっ!』
朝倉『動くんじゃねぇぞ!銃、降ろせ!』
朝倉『銃を降ろせ』
朝倉『弾倉、抜け!』
磯川『この男の言う通りに・・・』
朝倉『M70!ボルト外せ・・・カービン!薬室の弾抜け』
朝倉『前に出す!・・・倒せ!』
朝倉『ベートーベン!!続けるんだよ!』
朝倉『よし!さて・・・商談に入りますか』
磯川『ゼニのツラを拝ませてもらおうか・・・話はそれからだ』
朝倉『あせるんじゃないよ、今ここに持って来てない』
磯川『それじゃあ、話は終わりだ。ゼニを集めてから出直してくれ』
朝倉『額は一億円だ』
磯川『あぁ?!いくらだってぇ?!』
朝倉『額は一億円だ!そう簡単に持ち運びは出来ないんだよ』
朝倉『こんな取り引きはしょっちゅうだろ?アンタ』
磯川『それはそうじゃが・・・で?買い値は?』
朝倉『グラム六万』
磯川『お断りだなぁ!グラム十万で、いっくらでも買い手がある』
朝倉『七万五千。それ以上は出せんぞ』
磯川『・・・・・・よかろう』
朝倉『よし、時間と場所は俺が指定する。それまでアンタはブツを用意して待ってるんだ』
朝倉『時間は・・・今から3時間後。時間厳守だ・・・よろしく』
磯川『クソォ〜・・・合図は例の通りだ!奴は手ごわいぞ・・・いいな!』
151 @kira 2013-02-26 14:48:22 [携帯]
シーン38
磯川邸での朝倉と磯川の対決は、見どころのひとつだ。
門前で朝倉が名乗る『セントラルタイムズの仙川』に反応した貴方。なかなか鋭い。
セントラルとは、優作が所属するセントラルアーツから、仙は撮影の仙元誠三、川は監督の村川透から取ったものだ。
朝倉は、偽装が成功したつもりで、芝居しているが磯川達は既にお見通しだ。
開き直った朝倉は、取り引きの話を切り出すが、海千山千の磯川には通用しない。
しかし、朝倉も度胸では負けない。
引き際が悪い朝倉に対して、磯川は奥の手を出す。
何と、朝倉の背後の壁が開くと、そこには銃を構えた用心棒が、朝倉に照準を合わせていた。
朝倉、絶体絶命のピンチ。
我々が朝倉なら、この状況をどう切り抜けるだろう。
冗談だと許しを乞い、退散するか。イチかバチか、磯川に飛びかかるか。いずれにせよ、用心棒に蜂の巣にされるのがオチだろう。
朝倉は弾道学を引き合いに出して、磯川に脅しをかける。
弾丸は、抵抗の少ないところを通る性質がある。だから、自分が体を動かすだけで磯川を殺す事が出来るのだと。
この映画を観た大半の観客は、朝倉の説はでっち上げの詭弁だと思った。
しかし、これが事実だったのだ。
第一次大戦中、ある兵隊目掛けて、敵が撃った弾丸が襲った。
弾は兵隊の頭部に到達。しかし、兵隊は掠り傷ひとつ負わなかった。
兵隊が被っていたヘルメットを脱ぐと、頭の周りを一周するような形で頭髪が禿げていたのだ。
つまり、弾道はヘルメットと頭の僅かな隙間を通って反対側から排出されたのである。
これは、史実である。
そして、大藪春彦の原作にもこの話が登場する。
ガンマニアや、大藪春彦ファンが寄って集って、このシーンを批判しているが、私から言わせれば、
『諸君、そんな程度でよくファンを自称しているな。もっと勉強したまえ』
である。
私は、ガンマニアでも大藪春彦マニアでもない。
それでも、『蘇える金狼』は面白いと断言出来る。
これ以上に面白い作品があるなら紹介して欲しい。
ディテールがどうの、銃考証がどうのと言ってみたところで詮無い事。
ピストルを撃てない国でグチャグチャ言ってないで、作品を単純に楽しめば良いのだ。

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