蘇える金狼(1979年)
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1 @kira 2013-02-08 22:00:00 [携帯]

の画像を貼りましょう。
32 @kira 2013-02-10 10:45:19 [画像] [携帯]

原作『蘇える金狼 完結篇』大藪春彦ヤ
33 @kira 2013-02-10 10:57:58 [画像] [携帯]

原作『蘇える金狼 野望篇』大藪春彦
 
角川文庫版

1982年に『汚れた英雄』製作に伴い開催された『汚れた英雄フェア』によりカバーがリニューアルされた。
使用写真は『蘇える金狼』製作当時に撮影された宣材写真を使用。

34 @kira 2013-02-10 10:59:36 [画像] [携帯]

原作『蘇える金狼 完結篇』大藪春彦
35 @kira 2013-02-10 20:20:57 [画像] [携帯]

村川透
 
■略歴
1937年3月22日生まれ。
山形県村山市出身。
日本の映画監督で、Vシネマやテレビドラマなども手掛ける。
福島大学経済学部卒業。
江戸前期に活躍した俳人・村川素英の子孫にあたる。
来歴・人物
福島大学卒業後の1959年、日活に入社し営業部に所属。
同年に退社し、翌年助監督試験を受けて再入社して、舛田利雄、中平康、西河克己らに師事。
優れた職能系助監督として『伊豆の踊子』『あゝひめゆりの塔』『嵐の勇者たち』など数多くの作品で名だたる監督をサポートしてきた。
特に日米合作映画『トラ・トラ・トラ!』では日本側演出部総チーフとして現場を取り仕切り、舛田利雄、深作欣二とともに実質的な監督として活躍。
その手腕はアメリカ側監督であったリチャード・フライシャーも絶賛した。
1972年、監督デビュー作である日活ロマンポルノ映画『白い指の戯れ』(脚本/神代辰巳)が高評価を受けるが、ほどなくして日活を退社。
郷里の山形に戻るも、1976年に恩師の舛田と日本テレビプロデューサー・山口剛の計らいにより、テレビドラマ『大都会 闘いの日々』で監督復帰。
この時に松田優作と出会い、1978年には松田を主演に迎えた『最も危険な遊戯』で映画監督としても本格復帰した。
その後松田とは、『蘇える金狼』『野獣死すべし』など多数の作品でコンビを組んだ。
またテレビドラマでも人気作品『探偵物語』『西部警察』『あぶない刑事』『はみだし刑事情熱系』など、多くのアクション作品でメガホンをとっている。
松田優作没後も多くの作品を発表し続け、出身地の山形県村山市では『村川透映画祭』がコンスタントに開催されている。
また、舞台を中心に活動していた柴田恭兵を『大都会 PARTII』のゲスト出演に推薦、その後『大追跡』のレギュラーに起用され、その人気を全国区へ広げたことでも知られている。
帰郷していた時代は、鋳物職人高橋敬典(妻の父であり、人間国宝)の下で働いたり、兄・村川千秋(『野獣死すべし』に指揮者役で出演)による山形交響楽団設立に携わったこともあった。
クラシック・ジャズ・ポップス問わず音楽方面への造詣が深いことでもよく知られ、自らもアマチュアサクソフォニストとして活動。
日活時代には演奏者として劇伴のレコーディングに参加することもあった。

36 @kira 2013-02-10 20:26:46 [画像] [携帯]

村川透
 
略歴A
 
後に『遊戯シリーズ』などで組む作曲家・キーボーディストの大野雄二とは当時からの旧知であったという。
70歳を越えてもいまなお現役で、2時間ドラマを中心に多くの作品を発表し続けている。
■作風
同時期に活躍していた長谷部安春や小澤啓一といった日活ニューアクション畑の監督陣との比較では、相対的に独創性の強さが際立っていることで知られ、その演出手法の中でも特に有名なもののひとつとして『手持ちカメラの多用』が挙げられる。
これは動・静問わず様々な場面で使用され、更に望遠ショット・長廻し・シンクロ録音などを組み合わせることによりドキュメンタリーフィルムを思わせる迫力とリアリズムを醸し出している。
その一方でトリック撮影(主にハイスピード撮影)などを大胆に取り入れることによって、アクションシーンに重厚感を持たせることも得意としている。
その他の技術面では、ナイトシーンなどにおけるブルーライトや逆光を利用した独特のライティングにも定評があり、崔洋一・原隆仁などの後進にも大きな影響を与えた。
自作にカメオ出演することがあり、その際にはたまにエンドロールに『山形透』と名前を出している。
『早撮りの村川』の異名のとおり撮影の速さはずば抜けている。

37 @kira 2013-02-10 20:35:36 [画像] [携帯]

松田優作
 
松田優作が『蘇える金狼』に出演したのは1979年。『太陽にほえろ!』でデビューして6年目に突入していた。
前年には主演映画『最も危険な遊戯』『殺人遊戯』が低予算にもかかわらず大ヒットした。
優作の人気はピークを迎えていた。
しかし内心はアクションに嫌気が差していた。
来る仕事は同じような内容。
自分の右手には常にピストルが握らされている。
自分では様々な役をこなして来たつもりでも世間の優作に対するイメージは相変わらず『ジーパン』だった。
この年、優作は『あめゆきさん』『乱れからくり』に出演。
アクション俳優のイメージから脱却しようと試行錯誤するが思うようには行かなかった。
そんな状況に苛立っていた。
優作が追いかけていた萩原健一は既に演技派の道を歩んでいる事がさらに拍車をかけた。
他人に対して辛辣だった優作は自分にはそれ以上に厳しかった。
『俺はいつまで同じ場所で足踏みしてるんだ』という思いが優作につきまとう。
ここまで負の要素が多いと断れば良いのだが優作は『蘇える金狼』を受けた。何故なのか。
角川映画と言えばメジャー路線だ。しかも主演となればその宣伝効果は計り知れない。
そしてイメチェン失敗もその要素のひとつだろう。
下手に動くよりはしばらくはメジャーな舞台で遊んでみるのも悪くないと考えたのでは。
そして当時のインタビューで語っていた『蘇える金狼はラブストーリー』発言だ。
世間的には『蘇える金狼』はアクション映画というイメージだ。当然だろう。アクション映画の監督と俳優で撮影し、原作は大藪春彦なのだから。
松田優作だけがこの作品を別の側面から見ていた。
 
『決してアクションじゃない。メロドラマです。金も地位もすべての野望を果たした男が、それで満足するわけがない。愛人役の風吹ジュンとの恋愛を描くことで主人公の人間≠ェ浮かび上がると思う。』
 
それが朝倉哲也と永井京子のラブストーリーだったのである。
しかし、そこは松田優作。たかがラブストーリーでもただで終わるはずがない。
いったいどんな恋愛模様を我々に提示してくるのか。

38 @kira 2013-02-10 20:50:08 [画像] [携帯]

『現代社会の破壊者・朝倉哲也の挑発』
 
原作では東和油脂に勤務するサラリーマン・朝倉哲也は誠実な勤務態度と業績優秀である事から上司・部下からも信頼されるエリートである。
しかし彼には東和油脂を乗っ取るという野望があった。
その為にボクシングジムで肉体を鍛え、上司の身辺調査を行い準備していた。
 
何故朝倉は会社乗っ取りを企んだのか。
それは上司達が帳簿を改竄したり、トンネル会社を作り会社の利益を不当に着服している事実を知ったからだ。
朝倉は怒った!
それは道徳的な怒りではない。
『こんな無能な奴等が会社を食い物にする位なら俺がその立場になってやる』
という傲慢な怒りだ。
普通なら『会社の金を着服するなんて許されない背任行為だ』と非難するだろう。
仮に警察に駆け込んでも巧妙な偽装で証拠を隠滅している上司達に太刀打ちなど出来る筈もない。
 
朝倉は上司の背任を非難する気などなくむしろ肯定している。
 
力は絶対的な善だ!
 
これが朝倉の哲学だ。
それは金・権力・武力を問わない。
どんなに素晴らしい信念も崇高なる理想も力が無ければ他人に踏みにじられてしまう。
蹂躙されて泣く位なら蹂躙する側になれば良いというのが朝倉哲也の法律なのだ。
 
大藪春彦『蘇える金狼』は刊行されるや日本のサラリーマンに熱烈に歓迎されたという。
それほど当時の社会情勢・世相に不満を抱いていた人間が多かったのだろう。
ベトナム戦争などの暗く重い暗雲が低迷し、将来に対する不安が世界的規模で蔓延していたのだから。
 
そこに現れた朝倉哲也の社会に対する鉄槌制裁は読者に痛快なるカタルシスを与えた!
 
そして朝倉は振り向いてこう言う。
 
『お前等、本当に満足してるのか。お仕着せの快楽に酔ってないで自分で何かやってみろ!』
 
と。
 
朝倉哲也の悪魔的な挑発は絶望的な現代に於いて更に光明を放って輝いているのだ。

39 @kira 2013-02-10 21:00:43 [画像] [携帯]

映画『蘇える金狼』製作の背景
 
角川映画とは角川書店社長であった角川春樹が1976年に設立した角川春樹事務所からスタートした。
それ以前は1975にATG『本陣殺人事件』に出資している。
松竹と組んだ『八つ墓村』が製作延期になり、開催予定の『横溝正史フェア』に間に合わなくなった為、自ら映画製作する事を決定。
これが第1弾『犬神家の一族』である。
角川映画は莫大な予算を投じてそれまでの邦画界ではタブーとされてきたTVーCMを大量に流した。
メディアミックス戦略は素晴らしい効果をあげ、大成功した。
それまで衰退していた邦画界が活気づいて軒並み大作路線を走り出した。
映画が次々ヒットし、角川春樹は時代の寵児ともてはやされた。
しかし、その光に翳りが見え始めたのが深作欣二監督『復活の日』だった。
映画の出来も悪くなくヒットしたが賭け過ぎた予算を回収出来なかった。
角川は大作路線から撤退せざるを得なくなった。
今更ながら大作映画がリスキーである事を知った角川春樹は少ない(それでも他社に比べれば潤沢な)予算で製作出来るプログラムピクチャーの製作を開始する。
そこで角川春樹が選んだのがハードボイルドだった。
野心的な角川春樹はハードボイルド小説を映画化し、衰退していたハードボイルド復活を目論んだ。
闇雲に映画化しても当たらない事は角川も理解している。
そこで日本ハードボイルドの祖・大藪春彦に『遊戯』シリーズのヒットで当時乗りに乗っていた松田優作をぶつければ何らかの化学反応を起こすという読みだったのだろう。
角川春樹の読みは果たして成功するのだろうか。

40 @kira 2013-02-10 21:09:20 [画像] [携帯]

シナリオ
蘇える金狼
 
シーン1
■[中華料理店・店内]
テーブルに向かい合って朝倉哲也と、経理部次長の金子。メニューを見ながら朝倉が、控えてる店の女に、
朝倉『ギョーザと、チャーハン』
金子『あのな、きみ、私がおごってやると言ってるんだよ。遠慮するな。もっと食えるんだろ?』
朝倉『はァ・・・・・・では遠慮なくご馳走になります。(店の女に)それから、チャーシューメンを』
店の女、去る。
金子『これまで、確かにきみは無遅刻、無欠席、勤務成績もまァまァの経理マンだよ。しかしね、私に言わせればきみには覇気というものがないんだよ。覇気が』
朝倉『すいません。ここのとこ、風邪気味なもんでして・・・・・・』
金子『私はそんなこと言ってるんじゃないよ。なんだい、図体ばかりでかくて』
朝倉、ポケットからハンカチを出し、額の冷汗を拭う。
金子『ほらほら、ハンカチが汚れてるじゃないか』
朝倉『すいません・・・・・・』
と、チン!と鼻水をかんで―
 
シーン2
■[タイトル]
《蘇える金狼》

41 @kira 2013-02-10 21:16:35 [画像] [携帯]

シーン3
■[共立銀行本店・店内]
大金庫。
揃えられた札束が、それぞれのスーツ・ケースに次々に詰められていく。
 
シーン4
■[同・表(朝)]
雨。
通用口から、男たちの一団が出て来る。
それぞれがずっしりと重いスーツ・ケースを提げ、ケースの鎖を自分の手首につないでいる。
各支店の現金運搬人。
ほとんどが待機させた車に向かい、近くの支店の何人かだけが歩いて歩道に散っていく。
 
シーン5
■[ビル街の道(朝)]
まだ人影はまばら。
合羽姿の現金運搬人の原が歩く。
その傍に、後方から一台の白バイがやってきて、スッと停まる。
ヘルメットとサングラスで顔が判然としないその警官が、バイクを降り、原に何事か語りかける。
怪訝そうな表情の原。
突如、警官が物凄いパンチを原のみぞおちに叩き込む。
海老のように背を丸めるところに、もう一撃、首筋へチョップ。
崩れかける原を、警官が、軽々と抱え上げる。
シーン6
■[別のビル街の道(朝)]
雨の中を疾走する白バイ。
警官の後の荷台に、ぐったりと原。警官に抱きつくようにまわされた二本の腕は、警官の腹のところで手錠につながれている。
 
シーン7
■[高速道路の橋脚の下(朝)]
周囲から死角に当たり、頭上には通過する車の轟音。
白バイの警官が、原を放り出す。
ポケットから拳銃、コルト38口径スーパーを抜き、失神している原の心臓めがけて無表情に引金を絞る。
銃声―
警官がヘルメット、サングラス、身につけているものを手早く取り去っていき―。
―地味なサラリーマン姿の朝倉が現れる。
朝倉は細身のナイフの刃を出し、原の腕に繋がれたケースの皮に突き立てる。断ち切られた中から、高額紙幣が顔を出す。
シーン8
■[コインロッカー]
朝倉が風呂敷包みを預ける。
パトカーのサイレン―



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